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顧客満足度(CS)を図るための指標とは?各指標の意味と特徴を解説

2024.11.6

BLOG

こんにちは、Penglueメディア編集部です。

現代のビジネスにおいて、顧客満足度(CS)は競争優位を築くため重要なポイントの1つであり、顧客満足度を高めることは全体的な売上の向上にもつながります。そのためには顧客の満足度を適切に測定し、改善を実行することが必要不可欠です。

本記事では、顧客満足度を測る5つの主要指標であるCSAT、NPS、CES、JCSI、CRRの定義や特徴について解説していきます。

顧客満足度の代表的な指標5つ

CSAT(Customer Satisfaction)

CSATは「顧客満足度スコア」の略で、顧客が特定のサービスや製品に対してどれだけ満足しているかを数値化するものです。

例えば「今回のサービスにどの程度満足しましたか?」といったシンプルな質問に対して、5段階または10段階のスケールで回答してもらい、以下の計算式に当てはめて数値化します。

CSAT = (満足と回答した顧客数 / 回答した全顧客数) × 100

CSATは非常にシンプルなため、短期的な評価を行うことに適している一方で、長期的な満足度の評価を行うには他の指標を組み合わせることが必要となります。

NPS(Net Promoter Score)

NPSは「ネット・プロモーター・スコア」の略で、顧客がいかにその商品やサービスに愛着を持っているかを測る指標です。

例えば、「この製品/サービスを友人や知り合いに推薦したいですか?」という質問に0〜10点で回答してもらいます。そして、その0~10点を次のように定義付けしておきます。

点数 顧客分類
0~6点 批判者
7~8点 中間者
9~10点 推奨者

回答結果から、それぞれの割合を算出し、以下の計算式に当てはめてNPSのスコアを算出します。

NPS = 推奨者(%)-批判者(%)

0~6点を批判者と定義しているため、スコアはマイナスを示すことが多くなると言われていますが、0~30が目指すべきスコアとして一般的です。広く用いられている評価指標なので、NPS®(顧客推奨度)業界別ランキングなどのデータをもとに業界の他社と比較できるのは大きなメリットです。

一方、スコアの結果だけ見ても改善点は見つかりませんので、その点は質問と同時にアンケートをつけるなど詳しい要因を探る方法を設定していくことが大切です。

CES(Customer Effort Score)

CES(顧客努力指標)は「カスタマー・エフォート・スコア」の略で、顧客がサービスや購入プロセスでどれだけ負担を感じたかを測定します。

例えば「〇〇(商品/サービス名)を利用するにあたってどれくらい負担を感じましたか」という質問に、1〜7段階で回答してもらいます。

点数 顧客分類
1~2点 負担低
3~4点 負担中
5~6点 負担高

回答結果から、それぞれの割合を算出し、以下の計算式に当てはめてCESのスコアを算出します。

CES = 負担高(%)-負担低(%)

CESのスコアは低ければ低いほど顧客の満足度は高く、スコアが高いと満足度が低いことを示します。NPSほど一般的に用いられている指標ではないですが、直感的に顧客の負担や満足度を数値化できる一方で、こちらも改善案については別の分析方法などを用いる必要があることは理解しておきましょう。

JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)

JCSI(日本版顧客満足度指数)は、公益財団法人日本生産性本部によって開発された、日本国内の消費者による顧客満足度を測定するための指標です。

CSIというアメリカを中心に世界中で使われている顧客満足度を測るための5つの指標に「推奨意向」を追加したものになります。JCSIを測る6つの指標は以下の通りです。

顧客期待
サービスを利用する際に、利用者が事前に持っている企業・ブランドの印象や期待・予想を示します。
知覚品質
実際にサービスを利用した際に感じる、品質への評価を示します。
知覚価値
受けたサービスの品質と価格とを対比して、利用者が感じる納得感、コストパフォーマンスを示します。
顧客満足
利用して感じた満足の度合いを示します。
推奨意向
利用したサービスの内容について、肯定的に人に伝えるかどうかを示します。
ロイヤリティ
今後もそのサービスを使い続けたいか、もっと頻繁に使いたいかなどの再利用意向を示します。

引用:統計手法(JCSI因果モデルとは)

上記の6つの指標を0から100で数値化し、各指標の平均を出すなどして総合的なスコアを算出します。ただし、自社でスコアを出すという形ではなく、日本生産性本部がランキング結果などを調査レポートとして公開しているので、そこで競合などの指標を見ていく形が一般的です。

CRR(Customer Retention Rate)

CRR(顧客維持率)は、既存顧客がどれだけ長く自社の製品やサービスを利用し続けているかを示す指標です。顧客維持率の高さ=顧客の満足度が高いと言い換えることもでき、顧客満足度を測る上では欠かせない指標の1つとなっています。

CRR=(期間終了時の顧客数-期間中に増えた新規顧客数)÷期間開始時の既存顧客数×100

例えば、1月に顧客数が1,000人だったとあるサービスが、3月に950人になり、その間に100人の新規顧客を獲得していた場合の顧客維持率を算出してみましょう。

CRR=(950-100)÷1000×100=85%

この時のCRR(顧客維持率)は85%だと算出できます。

CRRは企業の収益に直結する指標です。5:25の法則ともよく呼ばれますが、5%継続率が上昇することは、利益の25%向上につながるとも言われていて、CRRを高めることが企業の収益にも大きな影響をもたらします。

まとめ

今回は、顧客満足度(CS)を図るための重要な指標5つについて解説してきました。各指標の意味を適切に理解し、使い分けていくことで自社の顧客満足度(CS)を把握することにつながります。また、各指標をもとに改善の方向性を考え、顧客満足度向上に向けた実践的な計画を立ててみてください。

本記事がそのお役に立てば幸いです。