こんにちは!マーケティング担当の伊東です。
今回は、LINE公式アカウントを活用されている、もしくは活用をご検討されているtoCビジネスのマーケターの方に向けて、新規顧客獲得につながるリッチメニューの設計方法についてご紹介します。
リッチメニューとは、LINEトーク画面の下部に固定表示するメニューのことです。
画面を大きく占有するのでユーザーの注意を引きやすく、新規顧客獲得を目的としたLINE公式アカウントの運用において重要な要素となります。
今回は弊社でこれまで得てきた知見の一部をご紹介します。
- カスタマイズ性の高いリッチメニューをどのように設計すればよいのか分からない
- さらに成果を伸ばすリッチメニュー作成のポイントを知りたい
といったお悩みがございましたら、ぜひ今後の施策の参考にしてみてください。
LINE公式アカウントの基本的な機能については、以下の記事をご参照ください。
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LINE公式アカウントでどんなことができるの?
- 〜LINE公式アカウント基本編〜
〜LINE公式便利機能|コミュニケーション編〜
〜LINE公式便利機能|投稿のリッチ化機能編〜
〜LINE公式便利機能|使える!その他の便利機能編〜
LINE公式アカウントのリッチメニューの設定
2019年4月より、LINE公式アカウントのすべての料金プランでリッチメニューが設定できるようになりました。
LINE公式アカウントでできる基本のリッチメニューは3STEPで完成します。まずはこちらについてご紹介します。
① テンプレートの選択
合計12のリッチメニューのタイプから選ぶことができます。
大きく分けて大小2つのタイプがあるので、表示したい内容に合わせて選びます。
② 背景画像のアップロード
リッチメニューでは、テンプレートのタイルごとに画像を設定できません。
1枚の画像をアップロードすることになるので、あらかじめテンプレートに合わせて画像を調節する必要があります。
アップできるサイズは以下の6パターンです。
③ タップしたときのアクション内容を決定
設定できるアクション内容は、全部で5種類あります。
<設定できるアクション>
「リンク」「クーポン」「テキスト」「ショップカード」「設定しない」
以上が基本のリッチメニューで設定できる内容となります。
*1(出典:【公式】リッチメニューの活用法│作成から設定方法まで解説/https://www.linebiz.com/jp/column/technique/20180731-01/)
効果的なリッチメニューを作成するためのポイント
次に、新規顧客獲得に効果的なリッチメニューを作成するためにオススメする、取り入れていただきたいポイントをご紹介します。
- 達成したい目的を見せる
リッチメニューはユーザーの目に留まりやすいエリアなので、ここで商材の購入など、LINE公式アカウントで達成したい目的を見せましょう。
PUSH通知が届いたユーザーは、リッチメニューを経由してCVに至るケースが多くみられます。タップできることが視覚的に伝わりやすいようにボタン状のCVボタンを作成して設置したり、購入意欲を促すワードで訴求したりすることによってCTRを改善することが可能です。
- 優先順位を付ける
リッチメニューはユーザーの目が留まりやすいエリアなので、ついたくさんの要素を詰め込みたくなりますが、あまり多いとユーザーを迷わせる原因にもなり得ます。そのため、優先順位付けを行い、ユーザーが迷いにくい構造にしましょう。
最も目立たせたい要素以外は、目立ち過ぎないように考慮して全体のバランスを決定します。
- オファーを目立つように表示する
キャンペーンなどのオファーがある際は、ぜひリッチメニューで目立つように訴求してください。ユーザーの目を留め、購入意欲を高める効果が期待できます。
例えば、LINE限定で期間限定のオファーの場合、「今だけ」「期間限定」「LINEだけ」などのワードと一緒に使用すると、よりいっそうユーザーのアクションに繋げやすくなります。
- ユーザーに合わせてリッチメニューのサイズを決める
リッチメニューのサイズには、フルサイズとハーフサイズの2つがあります。
大きいサイズの方が画面の占有面積が広いので目立たせることはできますが、リッチメニューの面積を広げるということは、シナリオエリアの面積を狭めることにもなります。
例えば年配者など頻繁にLINEを使用しないユーザーは、リッチメニューの表示、非表示の切替方法を認識していない可能性も考えられます。そのような場合には、リッチメニューの占有面積を下げ、シナリオの視認性を高めることも選択肢の1つとなります。
- 再診断コンテンツ
本シナリオ*1が診断コンテンツの場合、リッチメニューにユーザーがもう一度診断するための再診断コンテンツを設置することもオススメです。
1度目の診断では購入に至らなかったとしても、悩みが顕在化してユーザーが「また調べたい」と思ったときにCVへと繋げるきっかけとなります。
*1本シナリオ:LINEの友だち追加をすると始まる、Penglueで設計された会話シナリオのこと。
事例紹介
最後に、実際の施策事例を4つご紹介します。
以下の画像は、実際のリッチメニューを施策成功要因が伝わりやすいようにデフォルメしたものになります。
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Penglueにおける用語説明
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- 本シナリオ:LINEの友だち追加をすると始まる会話シナリオのことです。
- プッシュシナリオ:リマーケティングのように、友だちになったユーザーに対し後追いで送るメッセージのことです。
- 友だち追加から見るCVR:友だち追加してくれたユーザーのうちCVに至った割合。CV数÷友達追加数。
不動産会社の事例〜優先順位付け〜
・リッチメニューの目的:資料請求
・施策前:
シナリオが診断系だったことから再診断ボタンを設置。業界No.1の項目を強みとして表示していました。
・施策後:
CVポイントである資料請求訴求のみに変更。業界No.1の強みの訴求は削除し、「無料」を強調。使用していたワードも「資料請求」ではなくLPに合わせて「プレゼント」へ変更しました。
・結果:
友だち追加からみるCVRが1.72ポイントUPしました。
この事例に関しては、「再診断コンテンツ」を設定することよりも「優先順位付け」することで成果が改善されました。以前は3つあった要素を1つに絞ったことで、伝えたいことの優先順位付けがしっかりとできたこと。「無料」や「プレゼント」といったワード選定が資料請求のハードルを下げたこと。この2点が友だち追加からみるCVRが改善された要因となりました。
またワード選定の部分では、ユーザーの興味を引き、クライアントの信頼に繋がるワードになるよう意識しました。こういった細かい施策を繰り返すことで成果に繋げることができます。
化粧品の事例〜オファーを目立たせる〜
・リッチメニューの目的:購入
・施策前:
65%OFFというオファーが目立つように、オファーを全面に押し出したリッチメニューを作成しました。
・施策後:
▼リッチメニュー
▼ポップアップバナー
オファー開始時にポップアップバナーでもオファー訴求を行いましたが、既存のLINE友だちにはオファーの存在が伝わりません。そのため、プッシュ通知などで既存のLINE友だちがトーク画面を開いたときに、リッチメニューのオファーに気づくように色合いを大きく変更しました。また、ポップアップと同じデザインにすることで、オファー目的で友だちになった人がすぐオファー用LPへ遷移できるようになっています。
・結果
シナリオ経由のCVRが1.87ポイント、リッチメニュー経由のCVRが15.06ポイントUPしました。
何がもらえるのかをビジュアルでもわかりやすく表現した点や、対象者・期間・価格などの必要情報を分かりやすく記載したことにより、ユーザーをスムーズにLP遷移に誘導できたのではないかと考えています。またポップアップバナーでのオファー提示からリッチメニュー経由でのLP遷移への導線が、はっきりと伝わりやすいデザインにしたこともCVRが改善した要因だと考えています。
家電購入の事例〜ユーザーに合わせてリッチメニューのサイズを決める〜
・リッチメニューの目的:購入
・施策前:
年配者向けの家電のため、視認性を高めるためにリッチメニューを大きくし、文字も見やすいサイズを心がけ、タップしやすいようにボタン部分のサイズ感も意識しました。
・施策後:
フルサイズのリッチメニューを開いた状態では見えるシナリオエリアが限られるため、ハーフサイズのリッチメニューを作成し、リッチメニューが開いた状態でも操作を邪魔しないようにしました。
・結果:
リッチメニュー経由のCVRが3.5ポイントUPしました。また、同時期に本シナリオはリンク先を変更しているためその影響も含まれますが、リッチメニューが本シナリオを遮らなくなったことで本シナリオ経由のCVRは0.78ポイントUPしました。
このリッチメニューをタップすることで展開される本シナリオは、診断コンテンツです。ユーザーに質問に答えてもらう必要があったので、操作しやすい状態に整えることが欠かせなかったのだと考えています。ハーフサイズのリッチメニューにしたことでシナリオエリアの占有率が高まり、操作しやすくなりました。これによって本シナリオのCVRがUPし、診断後やPUSH通知でのリッチメニューに対する反応が上がったと考えています。
女性用の衣類の販売事例〜再診断コンテンツ〜
リッチメニューの目的:購入
・施策前:
見た目の異なる2種類の女性用衣類の購入がCVポイントだったので、ターゲットが自分の好みの商品を選びやすいよいように「綺麗系」「かわいい系」と明確に違いを示しました。
・施策後:
一度友だちになった後も、体にフィットするかどうかなど、今の状態をもう一度把握したいというニーズから、比較的短い期間で再診断したくなる商材だと判断し、再診断ボタンを設置しました。また季節性を出すために、暖色系の暖かな色味に変更しました。
・結果:
再診断からのCVは全体の4%を占めており、一定の需要が見込めました。
「もう1度調べたい」というユーザー心理を捉えたことで、翌日以降もユーザーの購買意欲が高まったときにCVの機会を得ることができました。
実際にCVも出ていることから、全体のCVR向上に貢献した施策だと考えています。
新規顧客獲得に繋がるリッチメニューのポイントまとめ
リッチメニュー設定のポイントと事例紹介については以上となります。
新規顧客獲得に繋がるリッチメニュー作成のポイントとしては、下記の3点が重要でした。
- コンテンツは優先順位付けし、メリハリのある見た目にする。
- ターゲットユーザーに合わせ、リッチメニューのサイズやワードを調整する。
- 再診断コンテンツのように、ユーザーの購買意欲が高まった時やニーズの変化に対応できるような「ユーザーが再度確認したいコンテンツ」を置くことでCVに繋がる。
その他にも、LINE公式アカウントのみでは設定できない機能にはなりますが、Penglueでは次のような機能を活用してユーザーに負荷を与えることなく自然な流れでCVに導くリッチメニューを設計しています。
- リッチメニュー内タイルの範囲設計が自由
範囲設計が自由なので、リッチメニューのデザインを活かしながら、自然とCVにつなげられる設計が可能になります。 - ユーザーセグメントごとに最適なリッチメニューの表示が可能
例えば、どこまでシナリオを読み進めたかでユーザーセグメントを設定した場合、シナリオを読み進めていき特定の位置まで到達したユーザーには、キャンペーン情報に特化した新しいリッチメニューを表示する、といった設定が可能です。
唐突に切り替わることでユーザーの目に留まりやすくなるので、オファー情報を目立たせたい時などにオススメの方法です。
今回は新規顧客獲得に繋がるリッチメニューに焦点を当てて作成のポイントや事例をご紹介しましたが、Penglueではリッチメニューだけでなく、ポップアップバナーや本シナリオ等に関しても、クライアントの成長に貢献できた施策やポイントをメンバー間で共有し、日々PDCAを回しています。
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