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【Webマーケター必見】マーケターに求められる3つの法律

2021.4.15

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こんにちは!マーケティング担当の伊東です。
今回は、普段生活者に向けてマーケティング活動を行っているマーケターの皆様に向けて、特定商取引法・景品表示法・薬機法などのマーケターが把握すべき法律についてをご紹介します。

2021年3月5日に特定商取引法の改正案が閣議決定されました。
日本だけではなくグローバルで商品・サービスを販売する際の表現方法の規制は強化されつつあり、今後の中長期的なトレンドになっていくことが予想されます。

そこで本記事では、マーケティング業務を行うにあたって覚えておくべき法律と、規制強化に至った背景を解説していきます。

マーケターが覚えておくべき3つの法律

マーケティング業務を行うにあたって覚えておくべき法律は大きく3つ存在します。

  • 特定商取引法
  • 景品表示法
  • 薬機法

特定商取引法

特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。 具体的には、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。

引用元:特定商取引法とは|特定商取引法ガイド

現時点で表現規制の強化の方向性で動いているものは、特定商取引法、いわゆる特商法です。
先ほども触れたとおり、2021年3月5日に特定商取引法の改正案が閣議決定されました。
改正案の目的は主に下記の通りです。

  1. 通販の「詐欺的な定期購入商法」対策
    定期購入でないと誤認させる表示等に対する直罰化
    上記の表示によって申込みをした場合に申込みの取消しを認める制度の創設
    通信販売の契約の解除の妨害に当たる行為の禁止
    上記の誤認させる表示や解除の妨害等を適格消費者団体の差止請求の対象に追加
  2. 送りつけ商法対策
    売買契約に基づかないで送付された商品について、送付した事業者が返還請求できない規定の整備等(現行では消費者が14日間保管後処分等が可能→改正後は直ちに処分等が可能に)
  3. 消費者利益の擁護増進の為の既定の整備
    消費者からのクーリング・オフの通知について、電磁的方法(電子メールの送付等)で行うことを可能に(預託法も同様)
    事業者が交付しなければならない契約書面等について、消費者の承諾を得て、電磁的方法(電子メールの送付等)で行うことを可能に(預託法も同様)
    外国執行当局に対する情報提供制度の創設(預託法も同様)
    行政処分の強化等

引用:消費者庁国会提出法案(https://www.caa.go.jp/law/bills/)

詐欺的な定期購入商法をの取り締まりを目的としていることが明記されています。
背景には、定期購入に関する消費生活相談件数の急激な増加があります。

引用:消費者庁|令和2年版消費者白書 第1章第4節 最近注目される消費者問題(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2020/white_paper_115.html#zuhyo-1-1-4-8)

定期購入に関する相談のうち、健康食品・化粧品関連が99%を占めます。
こうした背景から、消費者庁が規制強化に乗り出し、今回の閣議決定に至りました。

今回の改正案では違反業者への刑事罰導入を柱としており、今まで横行していた様な定期購入についての注意書きを極力小さく、見辛い状態にしておくなどの対応は許されなくなっていきます。

景品表示法

景品表示法では、景品類の最高額、総額等を規制することにより、一般消費者の利益を保護するとともに、過大景品による不健全な競争を防止しています。
引用元:景品規制の概要 | 消費者庁

景品表示法では、

  1. 不当な広告表示を禁止する
    優良誤認表示の禁止
    有利誤認表示の禁止
    その他誤認させるおそれがある表示の禁止
  2. 過大な景品の提供を禁止する
    「くじ」などの一般懸賞における景品金額の上限規制
    共同懸賞における景品金額の上限規制
    総付景品における景品金額の上限規制

という内容を規制しています。
例えば、期間限定キャンペーンとうたいながら実際には通年同じキャンペーンが実施されており、期間限定ではないなども景品表示法の優良誤認違反にあたり、行政指導を受けるケースが多発しています。
一生懸命考えて世に出した施策が実は景品表示法違反だった、という悲劇を避ける為にも、マーケターは景品表示法について理解しておかなければなりません。

薬機法

正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」。
その名の通り、医薬品、医療機器等の品質と有効性および安全性を確保する他、下記を目的に製造・表示・販売・流通・広告などについて細かく定めた法律です。

・保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止
・指定薬物の規制
・医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進

引用元:「薬機法(旧・薬事法)とは?」を丸ごと解説 | 薬事法ドットコム

薬機法は扱う商材によっては必要のないケースもありますが、医療や医薬品・医療機器・健康食品・化粧品商材を扱う際には特商法・景表法と並んで抑えておくべき法律となります。

薬機法は商品の定義から広告の手法など非常に細かく定められている為、ここでの説明は割愛しますが、2020年7月に薬機法違反による逮捕者が出たことでニュースになりました。
この事件では広告主を含む6人が逮捕されており、知らなかっただけでは済まされない、業界を震撼させるニュースとなりました。

以上がマーケターが知っておくべき3つの法律の概要となります。
これらの法律の目的は消費者保護の観点で設定された法律であり、背景には消費者からの相談の増加があります。
次ページでは、今後の特商法の改正や世論の変化から起こり得る今後のマーケット動向予測とその対応方法について見ていきます。